2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

死んだ友達と生きた友達の数が同じくらいになってくる

詩人から突然電話がかかってきて、明日は空いていないかと訊かれた。いかにも空いていなかった。某ヴァイオリニストのコンサートの隣席が空いているのだが、と彼は言った。行きます、と私は即答して、無理やり予定を調整した。翌日のテストの準備を何もして…

だれかれも長じて見ゆるはまやかしでここは稚児らの夢の跡なり

山奥の宿はうつつを知らぬゆえ君はいくども蘇へるらむ清潔の概念のやうな浴槽で洗ひ清める土くれの脚白日に肌晒しては花の湯で「みだれ髪」など詠めるものかは懐石の春は自然の春なりや桜・たらの芽・筍ご飯着慣れざる羽織か酔ひの盃か名無しの我に名を与ふ…